ロックウェル画集
人々の生活を優しい眼差しで描き続けたアメリカのイラストレーター。
この画集には男女の、さまざまな年齢、人種の、人々の想いが描かれています。
この画集は、人は決して家庭や職場、学校などの限られた空間で生きているのではないことを思い出させてくれます。
自分に無関係な隣人など一人もなく、皆が共に豊かにそれぞれの人生を、悲しみや痛みも含めて謳歌しているのだと思いました。
アメリカの文化、歴史も見えてきます。
動物を愛し、子供を愛し、平和を愛した古き良きアメリカ
ノーマン・ロックウェルの描いたアメリカは、「古き良きアメリカ」である。子供、動物、真摯に生きる人間を心から愛し、平和をこよなく愛したことがわかる。彼の絵にはすべて見る人に対して「メッセージ」が描き込まれている。読者には、それを読み取る楽しさがある。 私の部屋にも「先生誕生日おめでとう」と「GIジョー」が壁に飾ってある。心和む。 一方、悪を憎み、人種差別を憎み、戦争を心から憎む。 彼の作品は「古き良きアメリカ」が持っていた「良識」を表している。 今、彼が生きていたら何をどう描くのだろうと思う。
ロックウェルに対する思い込みを正してくれる一冊
私はノーマン・ロックウェルという画家に対して一つの大きな誤解を持っていました。その誤解とは「ロックウェルは黒人を描かない」というものです。 ロックウェルを初めて知ったのは映画「ブロードキャスト・ニュース」の中で「帰郷」(本書47頁)という作品が使われていたことからです。その後92年2月に伊勢丹美術館で彼の作品の多くに接する機会を得ました。しかし当時の展示作品の選択が私に大きな誤解を与える結果になりました。展示作品に描かれているのは比較的恵まれた中流白人家庭ばかり。意図的に黒人を画面から排除しているかのような作品群を見て、「アメリカの心を描いた」というその美術展の謳い文句に鼻白んだことをよく覚えています。 しかしこの画集はそんな思い込みを正してくれます。ロックウェルには「The Problem We All Live With」というアメリカ公民権運動中の一事件を毅然と描いた作品があったのです。(本書87頁) この64年の作品には白人専用とされた公立学校に黒人の少女が初登校する姿が描かれています。絵の背景にある壁には、保守層の白人たちが投げつけたトマトが当たって飛び散った跡が生々しく残っています。警備を担当する官吏たちが少女に同行しており、絵からは実に物々しい雰囲気が伝わってきます。しかし当の黒人少女は臆することなく、凛と胸を張って学校へ向かおうとしています。人種間の不平等を撃つ、まさに歴史的瞬間を独特の筆致で写し取ったこの作品は、深く重い感動を与えてくれます。 日本では私のようにロックウェルをアメリカの暖かい(白人)家庭をユーモアあふれる作風で描いたイラストレータとしてだけ捉えている人がまだ多いのではないでしょうか。彼がこのように社会に矢を射る作家でもあったことを知ることができる本書をより多くの人に知ってもらいたいものです。
『生』を描くロックウェル。
人々の暮らしの中にある『喜怒哀楽』を やさしく、時にユーモラスに描いている。 それは人が生きているから感じる想いだと 心に伝える画集です。 ロックウェル自身についても解説が あるので、初めて彼の本を手にする人にもおすすめです。
白泉社
Home、Sweet Home Norman Rockwell 332 Magazine Covers ノーマン・ロックウェル The Best Of Norman Rockwell The Christmas Paintings of Norman Rockwell (Ariel Books)
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